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カート

カートが空です

― 神経構造を、繊維で再現する。

Neural Matrix™

原点は「足指が動き出す繊維」をつくること。

構想から、現実へ。

YOSHIRO SOCKSのすべては、「足指が自然に動き出す繊維をつくりたい」という構想から始まりました。しかし2016年当時、そんな素材は存在していませんでした。理想は明確にあったのに、現実には“答え”がない。

そこから湯浅慶朗の挑戦が始まります。靴下工場の職人と、紹介された繊維メーカーとの協働によって、何度もの試作と失敗を経て、Neural Matrix™ が誕生しました。

理想と現実の狭間で、試作を繰り返す。

思い通りにならなかった糸。

完成したはずの試作品は、まるで言うことを聞きませんでした。色むら、太さのムラ、摩擦のばらつき——。繊維があまりに繊細で、機械でも手でもコントロールできなかったのです。

それでも諦めず、1年、また1年と改良を重ね、
やがて YOSHIRO SOCKS → PRO → PRO2 へと進化。2025年、ようやく「理想の繊維構造」と呼べる完成形に到達しました。実に9年の歳月を要しました。

光と影を操る、神経繊維のような構造。

乱反射する、唯一無二の質感。

Neural Matrix™は、非常に細く、光を乱反射させる特性を持ちます。黒に染めても完全な黒にはならず、淡くグレーの輝きを帯びます。しかし、その反射がまるでプラチナのように上品に光ることから、この色を「プラチナグレー」と呼びました。それは欠点ではなく、この繊維の個性。光の角度によって、金属のような奥行きと深みを生み出します。

“繊維を活かす”ことが、最も難しかった。

編むことが、最大の難関だった。

この繊維は、綿やシルクとはまったく違います。高摩擦ゆえに、編機の針を通すだけでも抵抗が大きく、100足編んでも40足しか製品化できないほどの歩留まりでした。

1足を編むのに5分以上を要し、コストは一般的な5本指靴下の2倍以上。多くの工場から「不可能だ」と断られました。それでも私たちは諦めず、情熱ある職人と未来を信じる工場に出会い、再び挑戦を続けました。

 9年におよぶ改良と、技術革新の結晶。

技術と情熱が支えた改良の軌跡。

改良を重ねる中で、私たちはひとつひとつの課題と向き合いました。縫製時の繊維の摩擦を軽減するために専用のカスタム針を設計し、張力をミクロン単位で管理するためにデジタルテンションメーターを導入しました。さらに、温湿度の変化を自動で補正する新型の編立機を採用し、生産工程そのものを根本から再構築しました。

こうした改良の積み重ねによって、歩留まりは9割まで改善。いまでは安定した品質での製造が可能になりました。そこには、数字では表せない“職人の感覚”と“技術者の執念”が共存しています。