記事: 「転びやすくなった」「疲れやすくなった」…それ、足のせいかもしれません
「転びやすくなった」「疲れやすくなった」…それ、足のせいかもしれません
理学療法士 湯浅慶朗の健康コラム 第1回|共感と気づきの巻
歩いていると、つまずくことが増えた。
ちょっと買い物に出かけただけなのに、すぐに足がだるくなる。
以前は何ともなかった距離なのに、最近は疲れてしまう――。
もしあなたがそんな変化を感じているのなら、
「年齢のせいかな…」と片づけてしまう前に、
足の“指”や“アーチ”の衰えに目を向けてみてほしいのです。
転ぶ原因は、筋力だけじゃありません。
私はこれまでに、2万人以上の患者さんを診てきました。
「転びました」「疲れやすくなってきました」という声はとても多く、
そして多くの方が、
「筋力が落ちたからですよね?」
とおっしゃいます。
もちろん、筋力の低下も一因ですが、
実は見落とされがちなのが、足指の機能低下や、アーチ(土踏まず)の崩れなんです。
「足指」が使えていないと、踏ん張れない
特に多いのが、「浮き指」や「屈み指」と呼ばれる状態。
これは、足の指がしっかり地面に接しておらず、踏ん張る力が弱くなってしまう状態です。
指が使えない → 踏ん張れない → バランスが崩れる → 転びやすくなる。
この流れは、本人も気づかないうちに進行していることが多いのです。
疲れやすさ=姿勢の崩れ? 実は足元から
歩いてすぐに疲れる方の多くが、「姿勢が悪くなった」と感じています。
でも、そもそもなぜ姿勢が崩れるのか?
それは、足元(とくに足指)で地面をしっかり支えられていないから。
体は不安定な足元をカバーしようとして、知らず知らずのうちに
猫背になったり、膝を曲げて歩いたりするようになります。
それが疲労やひざ・腰の痛みにもつながっていきます。
足を見直すことで、変わる未来がある
これは何も、大げさなトレーニングが必要という話ではありません。
大切なのは、足指が正しく使える環境を整えることです。
例えば私は、足指を広げて自然な形に戻す構造を持つ靴下
「YOSHIRO SOCKS」を開発し、日々のケアに役立てています。
それだけで、
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「つまずかなくなった」
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「足が疲れにくくなった」
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「ひざの痛みが減った」
という方がたくさんいらっしゃいます。
最後に|“まだ大丈夫”は、実は黄色信号
「まだ転んでいないから」「まだそんなに疲れてないから」
そう思っている方こそ、今が見直しのチャンスです。
歩くことは、毎日の“当たり前”ですが、
その“当たり前”を守るには、今の積み重ねがとても大切です。
どうか今日から、ご自身の足に、少しだけ目を向けてあげてください。